2006年09月14日

■【正論】杏林大学客員教授・田久保忠衛 新政権に望む「普通の国」の外交

 ■哲学を持った高所からの判断を

 ≪同盟関係とは結婚に非ず≫

 日本に必ずしもいい感情を持っていなかったといわれるゼーリック前米国務副長官が「フォーリン・アフェアーズ」誌2000年1/2月号に、日本は民主主義国家として東アジアの安全保障上重要な役を演ずる歴史的な時期を迎えていると指摘した。

 この歴史的調整を日本の周辺諸国に受け入れさせるよう手助けできるのは米国だけだ、と同氏は説いた。近く誕生する日本の新政権が歴史上いかに重大な使命を帯びているかを大局的に見ていると思う。

 新政権がどの国よりも重視し、丁寧に扱わなければならないのは米国である。米国も民主党のいわゆるリベラル派を除いて、日本に悪意を持つ向きは少ない。かねて米国には、アジアにおける日米関係を欧州における米英関係にすべしとの見解があった。

 一口にアングロサクソンと呼ばれる米英関係だが、二度にわたる戦争と世界各地で繰り返した対立、衝突の末、「お互いに敵にしては損だ」との認識が固まったのは20世紀に入ってからである。現に米国にはいまでもAnglo−phobia(英国恐怖症)という言葉が残っている。

 日米両国は45年まで死闘を演じた末、相互に争う愚を悟った。その認識は双方の指導者が共有していると信じている。同盟は愛情に基づく結婚ではない。心配なのは日本側に同盟の心地よさが常態化し、※1日米中3国の関係をあたかも図上に簡単に線を引くように正三角形だとか二等辺三角形にすべしなどと口走る向きが出ている事実である。

※1 テレビで偉そうに能書きたれる中国に媚びる輩がよく、この台詞を言うのを聞く。

 ≪その場を繕う妥協は排せ≫

 新政権の指導者がこのような軽い言論に耳を貸すとは考えられないが、それよりも心すべきは日米同盟緊密化から生まれている過度の対米依存心ではないか。

 先の北朝鮮によるミサイル連射の事件に際しても、「所詮日本は有事に何もできないのだから、最後には米軍が何とかしてくれるだろう」との空気が国全体に漂っていなかったか。

 『美しい国へ』(安倍晋三著)ひたすら走るのが目的で、日米同盟はそのための掛け替えのない手段である。「強い日本」を実現して初めて米英関係に対応できる日米関係が形成される。

 小泉純一郎首相は北朝鮮に対して「対話」と「圧力」が必要だと述べてきた。北に限らず、外交は力なしに効果は発揮できない。20世紀初頭にセオドア・ルーズベルト米大統領がカリブ海外交に適用した「棍棒(こんぼう)片手に猫なで声」にほかならない。

 棍棒の基本は軍事力だが、日本は国軍もなければ、軍にふさわしい法体系も持たぬ異常な国だ。日本国憲法も教育基本法もまともではない。新指導者と目される安倍晋三官房長官も麻生太郎外相も、これらを正そうとの発言を続けてきた。

※日本を異常な国にしたのは、戦後に日本を恐れたアメリカ・・・GHQの仕業ですが・・・。仕掛けた国から指摘されてます。


 軍事力のほか、愛国心、経済、技術、情報などを含めたすべての国力を私は「棍棒」と言う。それらを備えた「普通の民主主義国家」になって初めて一人前の外交ができる。

 中韓両国とも関係改善のひそやかなサインを送り始めたようだが、その場を取り繕う妥協をしてはならない。改善を焦って失敗した例は数え切れない。外交哲学を持った新指導者の高所からの判断があればケジメはつくはずだ。日本の主権を脅かしたり、内政干渉をする国にたじろいできた異常な外交を通常に戻すだけだ。

 ≪「着眼大局、着手小局」≫

 この数カ月来とくに目立ってきた論評がある。日本と他の国の「危険なナショナリズム」を同列に論じ、裁判官面よろしく「両方を鎮静させなければならない」と説く論法である。この手の論者にはいつの時代も「左」と「右」の勢力なるものを設定し、「左は悪いが、さりとて右も許せない」と説いて巧みに論壇、あるいは政界の世渡りをしてきた者が少なくない。

 声が大きいのは結構だが、ナショナリズムとは何かの定義は全くなされていない。※2「危険なナショナリズム」とは、どうやら戦後日本の「異常」を「正常化」しようとの動きを指すらしい。この人たちの目には、今の防衛政策の異常を少しでも改正しようとすると「軍事力の強化」に見えるのだろう。中国の日本軍国主義化論に限りなく接近していく。

※2 つまり、『日本のナショナリズムが心配だ』とか寝言をいっている赤い麻日新聞は、戦後の変な日本を正常化するのを妨害しているのねv中国の『日本軍国主義化論』をそのまま垂れ流す旭日新聞( ━@Д@)


 政治家には珍しく、ぶれないことが特徴の新指導者も政権の座では多少の弾力性は必要だろう。が、外交のよって立つ大きな基盤は揺るがしてはならない。勝海舟にならって着眼大局、着手小局でお願いしたいのである。(たくぼ ただえ)
posted by るる at 20:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 国内ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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